A.PINETREE 自転車でヨーロッパ横断の旅、の話。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

自転車でヨーロッパ横断の旅、の話。

specialized rockhopper

先日ふと思い出して書いた、十代のころの自転車やウォーキングの旅について、何か写真とかパンフレットとか残っていないかなぁと、探してみたら、驚くほど何も残っていないことに気づきました。(実際の自転車の写真ではないですが、画像は使用していたものに似ているspecializedの2009年モデル)

それもそのはず…思い出しました。あの頃、「旅の景色は眼でしっかりと見て脳裏に焼き付けるべきもので、レンズを通して写真として残すべきものではない。」というパートナーのポリシーにしっかりと便乗していた私は、旅先の景色なんかはまれに現地でポストカードを購入する程度で、写真としては残っていないのです。何だか今思うと、人に伝えたくても伝えきれなくて、とてももったいないと思えるのですが、レンズ越しに焼き付けて慌ただしく旅をする現代人の一般的な旅行ではなく、「この景色は、今しっかりと脳裏に焼き付けておこう。」と意識していると、旅の愉しみ方自体が違います。

…というわけで、あいにく写真の一枚もありませんが、ちょっとだけ思い出話を、思い出す限り…。

ご興味のある方は続きをどうぞ↓
当時19歳だった私は、トライアスロンや自転車の世界旅で心身共に何倍も鍛えられたドイツ人のパートナーとイギリスのエディンバラという街で一緒に暮らしていました。その彼はどこへ行くのも自転車、もしくは足で…、車やバスというエンジンのつくものを嫌う人で、ドイツのニュルンベルクからエディンバラまでの長い長い道のりさえも、当たり前のごとく自転車で旅する人でした。そんな彼が何を思ったのか、ぐうたらな私に、「今度はふたりで旅しないか」と言いだし、私は、興味半分で「OK」と返事。その時は、この旅がまさかあんな過酷な旅となることは想像していませんでした。

ルート選び
まず、ドイツのニュレンベルクという街にある彼の実家を出発し、最終目的地であるイギリスの北部の街、エディンバラの自分達の住むフラットまでという旅。その間、どこを通って何を見て旅をしようかと話し合いました。この時点で、ルート選びを旅慣れた彼に任せるべきだったのですが、フランス人やスイス人の友達の多かった私は、どうしても彼らに途中会いたくて、彼の反対を聞かずにとんでもない山道の続くスイス経由という過酷なルートを選んだのです。最終的に、

①ドイツ(ニュルンベルク)→(レーゲンスブルグ)→(アウグスブルグ)→(ミュンヘン)→(ローゼンハイム)→
②オーストリア(ザルツブルグ)→途中地名不明 山ばかり→
③スイス(チューリッヒ)→(バーゼル)→
④フランス(ストラスブール)→(ランス)→(パリ)→(カレー)→
⑤イギリス(ドーバー)→(カンタベリー)→(ロンドン)→(オックスフォード)→(ヨーク)→(エディンバラ)

というルート。オーストリアからスイスにかけての道はただ険しい山・山・山!!!
予定では1カ月かけてゴールするところ、10日オーバーの40日間の旅となりました。

服装と持ち物
ヨーロッパの夏というのは、朝晩の冷え込みが厳しく、昼間は涼しいといったところ。毎日30km~40km 130~140km(距離を全く間違ってました)の自転車の旅をする私たちは、サイクリスト用ギア(パッドが入ったパンツに速乾性のあるTシャツ、そしてヘルメット)を着用、寒くなったら上着を羽織る。どんなに寒い山道でも汗ぐっしょりかくので、衣類は相当臭かったと思います(笑) ちなみに洗濯は湖や川の水で手洗いして、濡れた衣類は自転車にくくりつけて走って乾かします。

持ち物は、
①最低限の衣類(サイクリスト用ギア数点と下着)
②タオル数枚
③ガイドブック(外国のガイドブックには写真がなく、文字ばかり)
④地図(必須)
⑤筆記具(ポストカードを旅先から送るのに)
⑥飯盒(寒い朝夕にパスタスープやお粥を作る)
⑦アーミーナイフ(これ一本で十分)
⑧スリーピングバッグ(3シーズン用のダウン寝袋)
⑨簡易テント(ほとんど毎日野宿のため)
⑩お金
⑪食品(パン、ジャムやチーズ、パスタ、ビスケット、水など)
⑫パンク修理キット(何度使ったことか…)

こんなところです。当時は携帯電話なんてありません。カメラもありません。どうでしょう、40日間これだけで過ごすって考えられるでしょうか。

宿泊
旅に出る前は、どこのキャンプ場を泊まり歩くのだろうと安易に思っていた私ですが、毎日キャンプ場へ辿り着くわけがないのです。運よくキャンプ場に泊れてシャワーが浴びられるのは5日に一度程度。あとはその辺の牧場とか公園の一角、そこにテントを張ってもいいか持ち主を探して了解を得て寝泊まりしました。汗は湖や川の水で洗う程度。「ええ~~~!!?」と思われるかと思いますが、実はここに自転車の旅の面白さがありました。現地の人とコミュニケーションを取ることで、国によってこんなにも違うの?という国民性の違いにも気づきます。詳しくはまた後ほど。

食事
旅行中の食事、もう旅の楽しみと言ったら、食事です。これまた自転車で一日運動し続けた時に食べる物の美味しいこと!!どんなものを食べていたかと言うと…

…常備していたシリアル(ミューズリーやポリッジ)を湧水などで炊いてポリッジ(押し麦のお粥)に。農場に泊ったら、必ずと言っていいほど、しぼりたてのミルクや出来たてのチーズを分けてもらいました。
…村のベーカリーなどに運よく辿り着けば、パンを1きんを購入して丸ごとぺロリ。ドイツはドイツのハーブいっぱいの硬いパン、フランスではバゲットをひとり1本ずつぺロリでした。ジャムやチーズ、ハムと一緒に。
おやつ…ホールミール(全粒粉)のビスケットやチョコレートにミルク
…飯盒でパスタと野菜をくつくつと炊いて(もちろん、湧水で)固形スープストックで味付けしたスープパスタ。

ほぼ毎日こんな食事でした。粗食ですが、運動量がスゴイので、摂取量も半端じゃなかったです。

お国柄
自転車の旅をする190cmの長身ドイツ人と152cmのおちびな日本人、自転車で旅するこの変なふたりに対して、人々の反応がもう面白いったら・・・。それが顕著なのは、夕方「テントを張らせてくれませんか?」と頼み込みに訪ねた時の人々の反応。国によってこうまでも違うんだなーと感じました。

まず、ドイツやオーストリアは言葉が通じるせいか、だれでも気軽に
「いいよ。好きなところにテント張って泊ってお行き。」
といった具合で、訪ねた先はどこも問題なくテントを張らせてくれました。でも、勝手にどうぞ、といった感じで、干渉はしない。

それが、国境を越えてスイスに入ると、急に人が暖かくなる。
「へぇ~、珍しいコンビだね~。ドイツ人と日本人か。そんな外に寝泊まりしないで、うちに泊って行きなさい。シャワーも浴びて、ご飯も一緒に食べないか?」といった具合。スイスではどこでもそうでした。その上、朝には
「ほら、しぼりたてのミルクも飲んで行きなさい。これも一本あげるからもっていきなさい。」
といった具合。突然訪れる変な旅行者にどうしてこんな自然体な歓迎ができるのか?ふたりとも顔を見合わせて「スイス人ってスゴイ!」って何度も驚きました。

しかし、スイスで心暖まったふたりは、さらに国境を越えてフランスに入り、思わぬ試練に出くわすのです。
フランスでは、一日たりとも「いいよ」と快くテントを私有地に貼らせてもらえることはありませんでした。言葉の壁せいもあるとは思うのですが、頼んでもしかめっ面で「何言ってんだこの変なジプシーめ」という冷たい態度で、心は傷つくばかり。フランスという国には憧れがあったけれど、残念ながら旅行者としてはいい思い出はないです。(後でフランス人の友達にこのことを話すと、恥ずかしいけどそれがフランス人だって言うてました)

ドーバー海峡渡ってイギリスでは、ん~ドイツやオーストリアとフランスの間というところ。干渉はしないし、快くという感じではないけど、「どうぞ」と張らせてくれる。


水浸し事件
いろんなことが起った40日間ですが、忘れられない笑えるハプニングを一つ。
長かったヨーロッパ大陸の旅を終え、ドーバー海峡をフェリーで渡ってイギリスへ渡る前夜、フランスのカリーでその夜、美しい星空がきらめいたので、こんな星空の夜はテントの外で空を見上げながら寝よう、と外で寝ていたらぽつぽつと雨が…。辺りは真っ暗で、どんな地形の場所かも分らず慌ててその辺にテントを張り、いつものように寝袋の中で寝ていたら…、翌早朝、私たちはどっぷりと水に浸かっていました。テントを張った場所がどうやら水盤状のくぼ地だったのです。テントも寝袋も持ち物も何もかもが水浸し、もちろん自分たちも。はぁ~、きらめく星空に酔いしれていた前夜はなんだったのだろう、もうサイテーな翌朝でした(笑)

ゴール
イギリスのドーバーに着いてからは、もうあれこれ観たいというよりも、早く家に着きたい、という思いが強く、雨風も気にせずひたすら毎日走りました。(のんきに走っていると夏休みが終わってしまうのもあり)最後に、自分たちの住んでいたEdhinburgh(エディンバラ)のサインが見えた時には、もう大声で「ひゃっっほ~~~~!!!」と叫びました。やった~!喧嘩したし、しんどくて挫折もしそうになったけど、ここまでちゃんと来れたんだ!という達成感、もう最高に気持ちが良かったです。

------

こんな長い自転車旅はおそらく私の人生最初で最後だと思いますが、これを皮切りに、あの当時は年に2回ほど過酷な自転車&ウォーキングツアーをしていました。自動車では味わえない景色、出会えない人々、そして感動があります。自分の子供たちには、ぜひとも自転車とウォーキングの旅を味わってもらいたいと思っています。普段の生活がどれだけ便利でありがたいか、また何が無駄なのか、何が重要なのか、旅をして悟ってもらいたいものです。

COMMENT

Name
E-mail
URL
Comment
Pass  *
Secret? (管理者にだけ表示)
すごいですねぇ。過酷ながら素晴らしい体験をされたのが伝わってきます。あと臭いも…(^u^)。
お国柄には意外でした。
このような旅はほんとうになににもかえ難いものですよね。子供にはそういうきっかけやチャンスを作ってあげねばと再確認させられました。
それにしても、A.Pinetreeさんの華奢なイメージとは違いパワフルですね。その当時の筋肉はさぞかし…(失礼ですかね…ごめんなさい<(_ _)>)
じんべいさん、ありがとうございます。
臭い…伝わりましたか(笑)。5日に一回くらいはキャンプ場に辿り着いたけれど、それ以外は湖や川で身体を洗っていました。それでも臭ってたでしょうね~~~。

そうですね、あの頃は運動していたので男みたいな身体つきだったと思います。

そんなにハードなものでなくても、こども達との旅の中で、ちょっとだけでも自転車やウォーキングの体験を組み込ませてみてはいかがでしょうか。汗を流す分、思い出に残ります。
  • A.Pinetree#GknAAfLs
  • URL
  • 2010.07.22(Thu)
  • Edit
すてきな旅ですね。私も、語学力と若さがあればやってみたい。バックパッカーになり白夜を見に行きたい!夢ですけどね・・。
そんなA.PINETREEさんがどうして日本人の方と結婚されたんでしょう?もっと素敵だったのかしら??興味深深です。
  • あぶらぶ#-
  • URL
  • 2010.07.22(Thu)
  • Edit
あぶらぶさん、ありがとうございます。
バックパッカーの旅で白夜…いいですね~。観てみたいです。
その国の言葉が分らないっていうのは不安でしたが、分らなくても何とかなるものだと思いました。次にその国に行くときにはもっと言葉を勉強していくぞーと思いましたが。

どうして日本人と結婚したか…(笑)うーん、縁ですかねぇ。こんな変わった私を結婚相手として選んでくれた人がたまたま日本人だった、ですかね。ちなみに、旅を共にしたドイツ人は結婚願望もなく、子供を持つことも否定的でした。私はいつか子供が欲しかったので、生涯を共にするというのは無理でした。
  • A.Pinetree#-
  • URL
  • 2010.07.22(Thu)
  • Edit
はじめまして。
いつもとても良い刺激をいただいています。

う~ん 素晴らしい、読み応えのある体験談でした。
エディンバラという地名にちょっと反応しちゃいました(旅行で行きました)。
良い街ですよね~。

とても濃い人生を歩んでらっしゃるなぁ~・・・。
素敵です。

ブログを拝見していて、なんとなくスラッと背の高い方だとイメージしていたので、意外と小柄だということを知り親近感……(^^)<私も同じくらいです

初めてで長々とすみません。
いつもブログを楽しみにしています^^
  • カメ地蔵#gIYQI5Sw
  • URL
  • 2010.07.22(Thu)
  • Edit
カメ地蔵さん、ありがとうございます。

エディンバラに旅行されたことがあるんですね(^^)。イギリス国内で魅力的で日本人に人気が高い街や村はたくさんありますが、エディンバラはどこよりも大好きな街でした。若い子からお年寄りまで、人が温かい!街の魅力はやっぱり、これがキーです。

「濃い人生」…いやぁ、怖いもの知らずな十代だったので、思い立ったらあれこれ迷わずすぐ行動に移してはいましたが、自己満足的なものばかり。これが自分の子供たちも含め、人さまのお役に立てればいいんですが…ね。ガンバリマス。

カメ地蔵さんのブログもお邪魔させていただきたいと思います。
  • A.Pinetree#-
  • URL
  • 2010.07.22(Thu)
  • Edit
楽しく読ませていただきました!
自転車は気持ちイイですよね。
私も以前、何を思ったか突然ビアンキの自転車を買い、
毎週末、当時付き合っていた彼の家までの
15kmを自転車で通っていました。


しかし、かけがえのない経験ですね。
以前、NHKでやっていた、
蟹江敬三の息子が自転車でアルプス超えをする番組を思い出しました。
(男自転車ふたり旅 イタリア1200kmを行く
 http://www.nhk.or.jp/tamago/otokojitensya/
が、A.Pinetreeさんのはそれよりももっとすごいのですよね!

写真について、ですが、
子育てにおいてもそうじゃないですか?!
私はカメラを持っていても、子どもの姿を見つめるので一生懸命で
つい写真を撮るのを忘れてしまいます。
カメラのファインダーを覗くより、
この目でしっかりと子供の姿を捉えていたい、って思います。
  • plantpot_ms#bmP8myw2
  • URL
  • 2010.07.24(Sat)
  • Edit
plantpot_msさん、ありがとうございます。

ビアンキ、乗っておられたんですね。真夏と真冬と土砂降りの日以外は(^^)風を切って自転車で走るって、最高に気持ちいいですよね。イギリスにいた頃は、自転車用通路なんてないので、ロータリーも含め、車道をバンバン走ってました。車に負けてたまるか!ってな勢いで、渋滞もなんのその。自転車って優位だわ~なんて涼しい顔をして…。

NHKでそんな番組があったんですね。観たかったなぁ。アルプスの山は何時間も「いつまで続くんだ!」っていう上り坂で、下り坂はラクかと思いきや、30分以上下りっぱなし…猛スピードで危なく、ブレーキがすり減ってしまうほど。自分以上に自転車にはがんばってもらいました。

もう一度旅するなら、絶対撮りますが…写真。あんなにたくさんいいものを観たのに、何にも残っていないのは悔しいです(><)。

profile

A.Pinetree

Author:A.Pinetree
◇born in 1975
◇living in Kyoto
◇hubby & 5 kids in my family
◇love knitting & sewing
◇speak Japanese & English

twitter...

a_pinetree Reload

calendar

06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

my children

visitors since 5 Jun. 2008

visitor

現在の閲覧者数:

ブログ内検索


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。